大学院生の就職活動シリーズ②~大学院生特有の悩みと不安への対処法~
- atsukokurumada
- 9月7日
- 読了時間: 4分
更新日:9月8日
こんにちは、LeCiel厚子です。
「インターンに参加したのに、企業から連絡が来ない…」
「周りのM1はまだ就活していない…」
そんな“宙ぶらりん”な感覚に、不安を抱えていませんか?
先日、大学院1年生の学生さんから「インターン後、どう動けばいいのか分からない」というご相談をいただきました。
その背景には、大学院生ならではの“構造的な不安”があることに気づかされます。

➢ 大学院生の「空白期間」とは?
ここでざっくりとですが、学部生 vs 院生の年間スケジュールを比較してみました。
時期 | 学部生(3年次~) | 院生(M1~) |
6~8月 | サマーインターン参加(選考あり) | サマーインターン参加(選考あり) |
9~12月 | 秋・冬インターン参加/業界研究 | 秋・冬インターン参加/研究との両立開始 |
1~2月 | ES・面接対策/早期選考開始 | ES・面接対策/企業研究の深堀り |
3月 | 合同説明会/本選考情報解禁 | 本選考情報収集/研究との調整 |
4~6月 | 本選考ピーク/内定獲得 | 本選考開始/研究との両立本格化 |
7~9月 | 内定承諾/卒論準備 | 内定承諾/修論準備 |
この比較表だけで見ると学部生と院生の違いがよくわからないかもしれません。
実際、表面的なスケジュールだけを見ると、インターンから本選考までの期間はどちらも数ヶ月。
ですが、院生の場合はその“空白”が、心理的・構造的に深く影響することがあるのです。
以下でその違いを整理してみました。
観点 | 学部生 | 院生 |
インターン後の動き | 3年夏~秋にインターン⇒3年冬~4年春に早期選考・本選考が始まる | M1夏~秋にインターン⇒M2春に本選考が始まる(半年以上空く) |
周囲の動き | 同期は同じ時期に就活を始めるため、情報共有や刺激が多い。半面、周囲との比較により焦りを感じることもある | M1の同期はまだ就活に本腰を入れていないため、情報共有されにくく孤独感が出やすい |
学業とのバランス | 卒論準備はあるが、比較的自由度が高い | 修士論文や研究室活動が本格化し、就活との両立が難しい |
企業からのフォロー | インターン後すぐに早期選考やイベントの案内が来ることが多い | インターン後に企業からの接触が途絶えがちで不安になりやすい |
モチベーション維持 | 周囲と一緒に動けるため、自然とペースが保てる | 周囲が動いていない中で個人で準備をつづける必要がある |
以上の構造的な違いによって、「空白期間」が院生の心理にどう影響するのか?
以下に纏めてみました。
「あのインターンは何だったんだろう…」という宙ぶらりん感
→ インターンで好感触だった企業から連絡がないまま半年以上経つと、自己肯定感が下がりやすい。
「周囲がまだ動いていない」ことで孤独感が強まる
→ M1の同期はまだ研究に集中していて、就活の話題が出にくい。情報交換の機会が少ない。
「研究との両立」が見えない不安
→ M2になると修論や学会準備が本格化し、「就活に時間を割いていいのか?」という葛藤が生まれる。
➢ では大学院生の「空白期間」をどのように過ごしていけば良いのでしょうか
この時期におすすめなのが、「空白期間の構造的な違い」を受け入れて
今できることを整理していくワークに取り組んでみることです。
ワークの内容は、前回のブログ「➢ この時期に意識したいこと大学院生の就職活動シリーズ インターン後〜本選考までの最適な過ごし方」でご紹介しました。
例えば、インターンシップ参加経験の振り返りであれば、
□どんな業務にやりがいを感じたか?
□自分らしさを発揮できた場面は?
□参加する前と後で企業の印象はどう変化したか?
など、担当者の発言内容や参加者とのやり取りの中で起きる少しの違和感などもしっかり言語化することです。
こういった作業は地道なように見えて、実はご自分にとって大切な軸や価値観の発見(自己分析)につながることもあります。
今回はその中でも、特に“モチベーション維持”に焦点を当ててみましょう。
🔋 モチベーション維持のための具体策として
1.「小さな行動」を積み重ねる
☑ 週1回、企業研究やES練習などの時間を確保
☑ 研究の合間に就活タスクを「15分だけ」やる習慣化
2.「誰かと話す」時間をつくる
☑ キャリアセンターの面談予約
☑ 先輩院生やOB・OGとのカジュアル面談
☑ SNSや就活コミュニティで情報交換
3.「見える化」で安心感を得る
☑ 手帳などのスケジュール表やワークシートで進捗を管理
☑ 就活ノートやアプリで気づきや不安を記録
4.「研究と就活の接続点」を探す
☑ 研究で培った力(論理性・粘り強さ・課題発見力)を言語化
☑ 志望職種との接点を見つけるワークを実施
まとめ
大学院生にとって空白期間とは、準備と整理のための“静かな助走期間”です。
今できることを少しずつ積み重ねることで、必ず本選考での自信につながります。
次回は、研究内容と志望職種の接続について、具体的なワークを通じて考えていきます。
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